2010年11月15日月曜日

フィリップスのクラシックの名盤 2






カタログの続きです。コリン・デイヴィス、アルテュール・グリュミオー、ハインツ・ホリガー、イ・ムジチ 等の演奏家、演奏団体が掲載されています。

ちなみに1972年時点でのこれらの演奏家の年齢を調べてみると、以下になります(かっこ内は誕生年)

★ボザール・トリオの ピアノのメナヘム・プレスラー :49歳(1923)
★アルフレッド・ブレンデル :41歳(1931)
★サルヴァトーレ・アッカルド :31歳(1941)
★コリン・デイヴィス :45歳 (1927)
★アルテュール・グリュミオー :51歳(1921)
★ハインツ・ホリガー :33歳 (1939)
★イタリア弦楽四重奏団のバイオリンのパオロ・ボルチャーニ :50歳( 1922 ) 

ご覧のように、以上の様な名手たちが、若手~働き盛りといった年齢で1970年から1980年にかけてPhillipsに数々の名盤を残してくれ、私たちは名曲、名演奏を今でも楽しむことができます。 時期的にはCDが出る直前、LPとしては(アナログ録音としても)最後の時期に当たります。

これらの演奏は現在、その多くがCDで聴くことができますが、古くからのレコード・ファンとしては当時のLPで聴くのも楽しみの一つです。

2010年11月12日金曜日

フィリップスのクラシックの名盤 1






良い製品、良い作品は芸術品、工業製品等に限らず、ある時期に集中的に作られる例が多い様です。LPレコードで言えば当ブログで紹介させていただいた1950年代末から1960年代初めのRCAの Living Stereo のシリーズとか、同時期の 英国DECCA の一連のレコード、Blue Note,
Prestige,Riverdside等のJazz レーベルの最盛期等が頭に浮かびます。

良いレコードの制作には、販売会社の方針、企画する人のセンス、演奏家、録音担当者、レコード化する際の音作り、ジャケットのデザイン、販売の見込み等様々な要素が高いレベルで合うという、めったにない条件が必要の様です。

私の愛聴盤である1972年プレスの刻印のあるオランダでプレスされたイタリア弦楽四重奏団(Quartetto Italiano)のモーツァルトの弦楽四重奏曲全集の箱にはLPサイズの当時のフィリップスのクラシック・レコードの立派なカタログが同封されており、写真の様に;

ボザール・トリオ
アルフレッド・ブレンデル
サルヴァトーレ・アッカルド

等がまさに現役バリバリでフィリップスに録音していたのが分かります。
これから数回にわたり、当店所有のこのころのフィリップスのレコードで気に入ったものを紹介させていただく予定です。

2010年10月21日木曜日

Belafonte Sings The Blues - LIVING STEREO




LIVING STEREO 60CD COLLECTION の一枚目、リビング・ステレオ・サンプラー収録曲は以下です。

1.インディアナ              エディ・アーノルド
2.ティーンスヴィル            チェット・アトキンス
3.ウェイクアップ・ジェイコブ       ハリー・ベラフォンテ
4.ホエア・ドゥ・ワン・スタンズ・アローン ドン・ギブソン
5.ザ・ビート               ヘンリー・マンシーニ
6.マリア・ボニータ            ペレス・プラード楽団
7.ダーク・ムーン             ジム・リーヴス
8.クール・ウォーター           サンズ・オブ・ザ・パイオニアズ
9.トワイライト・タイム          ザ・スリー・サンズ
10.ジャンプ・ダウン・スピン・アラウンド  ハリー・ベラフォンテ
11.パリの4月に              ジョセフィン・ベイカー
12.時には母のない子供のように      マリアン・アーダースン
13.フニクリ・フニクラ          マリオ・ランツァ
14.コル・ニドライ            ジャン・ピアース
15.「キージェ中尉」-トロイカ(プロコフィエフ) フリッツ・ライナー指揮シカゴ響
16.交響詩「海」-波の戯れ(ドビュッシー)    フリッツ・ライナー指揮シカゴ響
17.歌劇「売られた花嫁」序曲(スメタナ)     フリッツ・ライナー指揮シカゴ響

LIVING STEREO のもとにJAZZ, ポピュラーの名盤も多数発売されました。今回ご紹介するのはJAZZ, ポピュラー系のLIVING STEREOの中で最も気に入っている盤の中の一枚から;

Belafonte Sings The Blues です。

私事ですが、日本ビクターから発売させれたこのレコードを始めて購入したのは私が高校生のときで、初めてJAZZを聞いたのもこのレコードです。その当時はベラフォンテのヒット曲 バナナ・ボート、さらばジャマイカ、陽のあたる島 等の曲を聞いていて、ベラフォンテのレコードというだけの理由で購入したこのレコードからイメージとは全く異質の音楽が流れてきたので大変びっくりしました。

演奏曲目、共演者、録音日時は以下のとおりでステレオLPの販売が開始された1958年の録音です。 ご覧いただける通りベラフォンテがJazzの一流プレーヤーと共演しています。

◆The Way that I Feel
◆Fare Thee Well
Bob Corman (leader & conductor), Roy Eldridge, Ben Webster (ts), Hank Jones (p), Fred Hellerman (g), Norman Keenan (b), Osie Johnson (d), Danny Barrajanos (perc).
Recorded in New York City, on march 29, 1958.

◆A Fool for You
◆Hallelujah I Love Her So
◆Mary Ann
Dennis Farnon (leader, arranger & conductor), Don Fagerquist (tp), Milt Bernhart (tb), Bump Myers (ts), Jimmy Rowles (p), Laurindo Almeida, HOward Roberts (g), Red Callender (b), Jack Sperling (d).
Recorded in Hollywood, California, on June 7, 1958.

◆Losing Hand
◆One for My Baby
◆Cotton Fields
◆God Bless the Child
◆Sinner’s Prayer

Dennis Farnon (leader, arranger & conductor), Don Fagerquist (tp), Milt Bernhart (tb), Plas Johnson (ts), Jimmy Rowles (p), Howard Roberts (g), Red Callender (b), Jack Sperling (d).
Recorded in Hollywood, California, on June 5, 1958.

二番目の写真は当時のLPの中袋ですが、ペリー・コモ、ヘンリー・マンシーニ、ペレス・プラード等のLPがLIVING STEREO で販売されていたのが分かります。

今回発売された LIVING STEREO 60 CD COLLECTION は クラシックのみですが、JAZZ, ポピュラ―編も発売されると良いのですが。

2010年10月14日木曜日

ルビンシュタイン・バレンボイム・ロンドンフィル・べートーベン ピアノ協奏曲全集







RCAのLIVING STEREO 60 CD COLLECTION で思い出しましたが、RCAの数あるクラシックレコードの中でも私が最も気に入っているレコードの一つが今回紹介させていただく;

★「ベートーベン/ピアノ協奏曲全集 」
● アルトゥール・ルービンシュタイン(ピアノ)
● ダニエル・バレンボイム指揮
● ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団


です。

★1番上の写真は米国で販売されたBox Set のものです。ルービンシュタインが良い顔をしていますね!

★2番目の写真はBoxの裏側ですが、ご覧いただける上部の写真の下のコメントは;
- べトーベンの五つの協奏曲の録音中にパッセージについて打ち合わせ中のアルトゥール・ルービンシュタインとダニエル・バレンボイム。1975年の3月初旬にルービンシュタインとバレンボイムはロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで4番と5番の演奏会を開催しました、そしてその数日後(10日と11日)にRCAの為に録音しました。これははたんに幸せな録音だったのみならず、芸術的にも得るところが大きかったので、ルービンシュタインはさらに進めて他の三曲も録音したいとの気持ちをいだきました。残る三曲の録音を見越して演奏会ではめったに演奏することのない一番と二番を再度さらいました。 これらの録音は4月9,10,11日に行われ,
録音の歴史の中でもユニークなルービンシュタインとしての三度目のベートーベンのピアノ協奏曲全曲の録音を完成させました。

とあります。

アルトゥール・ルービンシュタインは1887年1月28日の生まれですから録音の時は88歳を少しを過ぎた年齢でしたが、このレコードからは年齢は全く感じられません。演奏、録音についいては雑誌等で紹介されていますが、悠々とし、溌剌で、素晴らしいものです。

RCA Records としても気合が入っていたようで、中袋も一枚ごとに表の写真が異なり、中袋の裏には曲目の解説が記載されています(写真は5番の中袋です)。

私はハリー・べラフォンテやエルビス・プレスリーのファンでもあるため彼らを育ててくれたRCAには思い入れがあります。

RCA Recordsは1901年設立のビクタートーキングマシンを源流とした会社で、幾多の変遷の後、1975年に日本ビクターとの、RVCが設立されたことに伴い、RCAとしての会社の幕を下ろします。

というわけで、1975年にRCA Recordsとして、このレコードの制作にかかわった人たちにとっても感慨ひとしおの録音ではなかったかと思いますが、最上のアナログ・レコードに仕上がっています。

BOXの裏面下には以下の記載があります。
- Produced by Max Wilcox
- Recording Engineer : K.E.Wilkinson
- Mastering Engineer : Ricard Cardner
1976,RCA Records, New York, N.Y.

なお、一番下の写真は同じ1976年プレスの表示がある日本のRVCから発売されたセットの箱の表紙です。 米国版はやや腹に響くような音質ですが、日本盤はすっきりした感じの音質になっており、異なるとはいうものの両方とも名盤と思います。日本盤にはマスタリング・エンジニアの記載がありませんが、米国版とは独立したマスタリングであったようです。

2010年9月29日水曜日

LIVING STEREO 60CD COLLECTION






お客さまが今評判の LIVING STEREO 60CD COLLECTION をお持ちになり、当店で聴かせていただいたところ大変気に入りましたので私も早速購入しました。

2番めの写真は60枚のCDセットの一枚目、LIVING STEREO SAMPLER のジャケットです。 どこかでご覧になったと思われた方は相当のレコードファンかと存じます。

当店のLPのコレクションからLIVING STEREO の米国RCAオリジナル盤を見てみました。 そうです、LIVING STEREO が発売された初期のRCA盤の内袋のSTEREOの説明に使用されたいたイラストの一部分です(写真の3番めと4番め)。

内袋の記載内容の初めの部分を紹介させていただきますと;

ステレオフォニックサウンドとは?

ついにステレオフォニックサウンドのレコードが実現しました。広く各方面で議論され、多分広く誤解されていた技術です。 理解のお役に立つか分かりませんが;これは複雑で驚くべきものです。当社として、ステレオフォニックサウンドについての手引きとして、以下を紹介させていただきます。 これによりどのようにステレオが構成され、なぜ皆さまの家庭で音楽を聴く喜びをさらに豊かなものにする機会を提供しえるかについての御理解の一助となりましたら幸いです。

ステレオ録音技術が開発される以前は、音楽の波動はたった一つのマイクロホンにより受け取られていました。 この波動はテープに記録され、皆さまがご家庭でお聴きのレコードに刻まれています。 従来のレコードは素晴らしく、感動的な音を再生してくれますが一次元での音源の供給のみとなります(but,of necessity, it also offered only one-dimensional sound ) 。

さて、私たちは皆二つの耳を持ち、二つの耳を使って、音を三次元的に(縦、横、奥行き)聴いているという単純な事実を従来のレコードではカバーできないという問題を持っています。

一般的にあなたの左の耳は部屋の左側で何が起こっているかを追いかける傾向があり、あなたの右の耳は部屋の右側で何が起こっているかを追う傾向にあります。そこであなたの脳は二つの仕事を一度にしていることとなります。
あなたの脳は右の耳で捉えた印象と左の耳で捉えた印象を一つに合成し統合された音楽を聴いているのです。それと同時にあなたは右と左の空間的広がり、あるいは三次元的な印象を持ち続けるているのです。

ここで見ることと聞くことを比較してみましょう。あなたは画像を左右の目でみています。あなたの脳は一度に二つの画像を処理することにより、遠近感を得ていることになります。

ステレオサウンドは両方の耳で音楽を聴いている状況を造り出そうとしているのです。

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色々なご意見はあろうかと思いますが、当時のRCAの意気込みとポリシーが感じられる説明と思います。 LIVING STEREOの様なポリシーで録音された音楽の再生には正面からのスピーカの音のみでなく部屋も重要な要素になると考えられます。

2010年9月20日月曜日

部屋の音は変化する - 9 さて音は? - 3 最終回



前回のスピーカの設置位置のまま、約一年鳴らし続けました。部屋の音もそれなりに落ち着いてき、御客様、オーディオ仲間からの音質へのコメントもそれなりになってきました。
このころからボヤボヤの感じの音も大分すっきりしたものになってくるとともに『低音が足りないんじゃないの、バックロードのカットオッフ周波数のせいだろうけれども物足りない』との声をいただくようになりました。

毎日聴いていると自分では良く分からず、それなりに自信を持っていましたが、月に一度程度ご来店いただく御客様からは、『音がずいぶん変わった』とのコメントを毎回いただくようになりました。

そこで徐々にベストのスピーカの設置場所を探してゆくこととなりました。だんだんとスピーカの位置が壁に近づいてゆく結果となり本年(2010年)の7月になり上の写真に示すとおりコーナーにピッタリ配置するのが最良となりました。

最初に設置してから、設計者が意図した設置場所がベストとなるのに二年かかったことになります。この間、電気系統、部屋の吸音等には一切手を加えておりませんので、部屋の音そのものと、スピーカの音が変化したものと思われます。

スピーカについては設置時点でかなりエージングが進んでいましたので、部屋の音の変化が一番効いているものと思われます。

オーディオの音質向上には色々な方法があろうかと思いますが、部屋の音が音質を決定している大きな要素であり、かつ部屋の音は何をしなくても新築からしばらくの間は変化するとの感想です。

近年はスピード第一との観点から人生でも、仕事でも次から次への対策を立案し、忙しく駆け回るといったパターンが多いかと思いますが、時にはゆっくりと構えるのことも悪くはないかと思っています。

2010年9月2日木曜日

部屋の音は変化する - 9 さて音は? - 2



スピーカ搬入を搬入したのは2008年6月11日、店の開店予定は7月17日です。このひどい音が開店迄に何とかなるか心配でした。部屋の音そのものを短期間で改善する方法は無い様です。過去の経験からすると、新築の部屋の音は楽器、スピーカと同じようにしばらくは使いながらエージングをしていく外なさそうです。 新築の部屋は音だけではなく、塗装の色等もこなれていなく、落ち着いた雰囲気になるにはしばらく時間がかかります。

短気を起こして新しい部屋をいじり出すと何が何だか分からなくなりますので、友人や、お世話になった方々から開店祝いは何が良いかと聞かれていたので、皆さんに観葉植物をお願いし、かなりの数を部屋のあちこちに置くことにしました。

スピーカをコーナーに設置した状態ではあまりにひどい音なので家具、壁を飾る絵、観葉植物、レジ、コーヒー挽き、食器、レコード等の雑貨が入り、何も無い状態より多少は部屋の音が落ち着いたところで、7月の初めに(スピーカの搬入から約三週間後)信頼のおけるオーディオ仲間の応援を得て、当面のベストのスピーカ設置位置を探しました。

写真では良く分かりませんが、スピーカを壁面から1m弱前に出し、左右の壁からも0.5m程離し、正面に向けて(オートグラフは本来コーナーに設置しますので、スピーカは45°内側を無向けて設置するのが設計者の意図の様ですが--- もっともオートグラフが設計させれた時点では音源はモノラルでしたので、そういうわけでもないかもしれませんが)設置したところがベストポジションということになりました。

新筑後一カ月で部屋の中での会話も当初よりはかなり心地よく聞こえるようになりましたし、オーディオの音の方も写真のスピーカの位置で我慢できる程度になってきましたが、オートグラフ独特の軽く、明瞭な低音が聴こえるところまではいきません。