2010年7月1日木曜日
部屋の音は変化する - 4
さて、スピーカに合わせて部屋を準備するとなると、大きさ、内装(色調、デザインを含め)、防音、壁面等の振動対策、反響等考えることが多すぎますが、何はともあれ、予算の範囲内との制限の上でが前提となるのが実情です。
オートグラフ・ミレニアムの仕様書では 周波数特性 : 20Hz~22KHz(+/- 3dB) とありますから実際に20Hzの低音が再生されるかは疑問ですが、部屋としては20Hz程度迄は対応可能な大きさを持てれば理想といえます。
色々検討の上、部屋の寸法を ;
幅 : 約 5.4m
奥行き :約8m
天井の高さ : 一番低いところ(スピーカの背面の壁のところ)約3.5m
一番高いところ 約5.5m
とすることにしました。
この寸法ですと、平行に対抗する壁と壁の間の距離から計算上の部屋の最低共振周波数は低いところで 340/16(8x2)= 21.25Hz, 高いところで340/10.8 (5.4x2)=33.3Hzとなりますので、定常状態が生じたとしても33Hz程度以下とかなり低い方においやられることとなり、部屋自体も20Hz近くまで無理なく低音に対応できる筈です - 筈は筈のとおりにならないのがオーディオでありますが。
見にくい図面で恐縮ですが、上図は当店の店舗部分の断面図です。
実際には、吸音をしたり、平行する対向面積を少なくしたり(傾斜天井、カウンタ、トイレへの通路の凹み、二重扉の張り出し等)し定常状態がなるべく発生しないようにしています。 また、床、壁の振動を最小に抑えた上、長岡氏の御指導のとおり、部屋は当初ライブめに鳴るようにし、木の響きの部屋となるよう、床、腰板、スピーカの背面の壁の仕上げは無垢板を採用し、トイレ、クロゼットのドアも無垢板を使用し変な振動がでないよう配慮します。
家を建てるのは3回目ですが、最初にアーデンを設置した部屋は(前回紹介した部屋は二度目の建物です), 予算及び当時の(今から37年前)のプレハブ住宅で、壁面は当時標準であった、薄手のべニアの表面に印刷をしたプリント合板であったため、それなりの響きの音になってしまいました。
床、壁、天井、防音等については追々ブログで紹介させていただく予定です。
可能な範囲で、理論的にも、感と経験からも良い部屋(瀬川氏の言う、単に音響のみではなく)を目指しましたが、思いどおりにはいかず、部屋の音は時間とともに変化するというのが今回の連載のテーマです。
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