2011年7月23日土曜日

LCRフォノイコライザ採用プリについて:ラインアンプ実装 - 9

下の写真はラインアンプブロックの外観です。ご覧の様にシンプルな構成ですが、高い性能を得るために様々な配慮がなされています。

以前にも書いたかと思いますが、どんなシステムにおいても、常に相反する要素が含まれたおり、どのように相反する特性をバランスよくコントロールするかというのが設計の際の腕の見せ所となります。

真空管アンプの場合は、埃の影響を最小にし、信頼性を高めるためには密閉構造のケースが必要になりますが、真空管の放熱に対応するためには密閉構造をとることができません。

このフラットアンプでは以下にご紹介する方法で相反する要素を両立させています。



以下の写真はこのラインアンプに採用している真空管のシールドケースです。
シールドケースの材質 はアルミで熱伝導が良く出来ています。



下の写真に見られるとおりシールドケースの内側には真空管の管面に直接金属のバネ材が接して管面温度をケース側に伝え放熱すると共に遮蔽シールド、固定、防振の効果を果たしています。(バネ材は非磁性材です)



次の写真はシールドのシールド嵌合部です。一般に使用されているシールドケースは真空管の管面とは密着せず空気の層が出来管面を直接冷やすことは出来ません。又、シールドケース自体もベースとの嵌合は熱を 伝える構造にはなっていません。



次の写真にみられるとおり、ラインアンプブロックは前回ご紹介のシンプルで高性能な回路をアルミ・チャンネルを使用し整然と実装されています。 シールドケースに伝わった熱はシールドのベースを通って3mm厚のアルミ・チャン ネルに伝わります。チャンネルの大きさは50mm×25mm×150mm t=3です。



このチャンネルはラインアンプ・ブロックの170mm×200mm t=2のシャーシー板に取り付けられ、本体ケースに付けられています。本体外装ケースは1.5mm厚のア ルミ・アルマイト仕上げです。これらの部材を通して外部に熱を放出しています。

以上によりこのプリアンプに於いては、密閉構造と放熱を両立させています。
実際に使用してみても12時間の連続稼働後もケースの温度上昇ほとんど有りません。

余談になりますが、今の政府の財政政策には目を覆うものがあると強く感じています。税収の増加は、税率を高くすれば、経済成長が低くなり、税率を低くすれば税収が減る。増税はしたくないが、支出は増やしたい等、相反する要素を制御する制度設計と実行力が政府にも国民の一人一人にも強く求められているとの認識を持って行動したいものです。

2011年7月14日木曜日

LCRフォノイコライザ採用プリについて:ラインアンプの特性 - 8

長年にわたり、色々なアンプを聴いてきましたが、私個人の印象として、特性の良い負帰還(NFB)を使用しないアンプは音楽が生き生きと聴こえます - しかしながら、特性が良く安定したNFBを使用しないアンプを設計・制作するのは大変難しいことです。 一方NFBを多用したアンプは特性が良いのにもかかわらず、再生音の生々しさ、迫力に欠け、なんとなくつまらない音になる傾向が有る様です。

今回紹介させていただいているプリのラインアンプは二段直結の真空管(6DJ8)カソードフォロワ―構成のシンプルな回路でNFBは使用しておりませんが以下の図で示すとおり周波数特性は20Hz~50KHz迄フラットと大変優秀です。


100Hz,1KHz,10KHにおける歪率もご覧の通り小数点以下3桁と極めて良好です。また、出力電圧の高い範囲まで良好な歪率をしめしています。





















シンプルな真空管回路でこのような素晴らしい特性を得るために以下の配慮等がなされています。

1. 1. ユニークな回路設計
ラインアンプの設計にあたっては、三極管を定電流負荷で動作させると定抵抗負荷で動作させた場合に比較し、グリッド電圧の変化に対するプレート電圧の変化の直線性が良くなることに着目し、ブートストラップ回路を活用により、初段管の電圧増幅動作を定電流に近い動作となるように工夫しています。
このラインアンプに採用された回路では電圧増幅段の負荷抵抗の両端にかかる電圧がほぼ同じとなるため、負荷抵抗にはほとんど信号が流れず、負荷抵抗が大幅に増大したのと同等となり、定電流に近い動作が図れることとなります。これにより測定結果でご覧いただけるとおりの低歪率と、最大出力電圧をNFB無しで達成しています。

ちなみに電圧増幅段のプレート電流の定電流化は半導体を使用した回路でも作成可能ですが複雑なものとなり、回路構成の上でも問題があります。

上田氏の全ての素子(真空管、トランジスタ、FET等)の特徴を理解したうえでのフラットアンプでの真空管の採用は、LCRイコライザにおけるオペアンプの採用とともに、最適な素子を使用し、シンプルで最適な回路を構成するものであり、アマチアには説明されてなるほどとは思えるものの、我々が発想できる範囲をはるかに超えたものと感心しています。

余談ですが、真空管でLCRイコライザを作るとインピーダンスの整合等の面から複雑で大げさなものとなります。

2. 2. 部品の選定
NFB無しの回路においては使用する素子の特性が全体の特性に大きく影響するため、特に真空管の増幅度やノイズ特性を測定、選別して採用しています。
ライントランスは特性も、音質も大きく左右しますのでデータと試聴の両面での選択が必要となります。

3. 3. 電源のACラインの分離
ハム及び外部ノイズの低減に十分効果があったと思われます。

4. 4. 実装
優秀な回路もアースの引きまわし、ノイズ対策等を考慮した実装がされなくては良い特性を得られません。次回は配線の様子等を紹介させていただく予定です。

このプリの回路については、MJ 無線と実験 2011年 6月号に詳細が紹介されておりますので、ご覧いただければ幸いです。

2011年7月4日月曜日

LCRフォノイコライザ採用プリについて:入力セレクター - 7

以下の写真は入力セレクターです。ご覧の通りフォノ入力1, ライン入力4を備えています。これからすると入力セレクターには入力用シールド線が5組、出力用シールド線が1組結線されていると思われます。



さて、下の写真は入力セレクタ周りの結線です。ご覧の通りごちゃごちゃしているはずのシールド線が見えません。 



その理由は、入力の選択に、以下の写真のリードリレーを使用しているからです。各回路毎に1個のリレーを使用し、セレクターは選択された1回路のリレーをオンにし、他の入力回路用のリレーをオフにするコントローラとして使用されています。リードリレーはモールド型で取り扱いが容易な形状のものを採用しています。リレー接点部はガラス管内部に封入されていて、中は不活性ガスで満たされており、接点の劣化が極めて起こりにくくなっています。



以下の写真は入力セレクタ用のリレー基板です。


リレー基板は以下の写真のとおり入力端子の近傍に設置されています。
この方式の採用により;
1. 入力セレクターの信頼性(耐久性)の向上
2. シールド線の引きまわしによる雑音誘導の最小化
3. 配線作業の簡素化
が実現されています。

また、出力はRCAピンジャックを基板内側に出しており、他のブロックと接続できるようにしているため、ブロック毎のトラブル・シューティング等が容易に行えます。

この方式を上田氏は以前から採用しており、当店で使用中のCR型イコライザー付プリのセレクターは20年以上使用しておりますが、未だにトラブルが一回も発生しておりません。
セレクターはプリアンプでは最もトラブルの発生しやすい部分ですので、この方式の採用は信頼性、耐久性が重要になる業務用に使用する機器には最適な方式と考えれれます。



このプリと同じ回路のプリ(使用部品等異なる処があります)が上田氏によりMJ無線と実験 2011年6月号 (5月10日発売)に発表されておりますので、ご参考いただければ幸いです。

2011年6月23日木曜日

LCRフォノイコライザ採用プリについて:イコライザ・ブロック実装 - 6






上の写真はイコライザ・ブロックを入力端子、アース端子の側から撮影したものです。真ん中は組み立て後の写真、一番下はアンプを組んだ後の入力端子、アース端子の写真です。

お分かりのとおり、独立したイコライザ・ブロックをアンプのケースに組み込んでいます。
この方式ですと、入力部の配線、アースの引きまわしもブロックの中で最適化できるため、ブロック単体で得られた(調整された)特性を損なうことなく実装することが可能となり、メンテナンスの際もブロック単体を取り出しての作業が可能となります。

我々アマチアがアンプを製作した場合は、大抵の場合、全ての回路がアンプ内でつながってしまい、測定値、聴いた感じに不具合が生じても、どこから手をつけて良いか分からなくなり、パニックになってしまい、いったん組み立てたアンプを分解することが困難になってしまうことが多いので、この実装方式は大変参考になるものと思います。

このプリと同じ回路のプリ(使用部品等異なる処があります)が上田氏によりMJ無線と実験 2011年6月号 (5月10日発売)に発表されておりますので、ご参考いただければ幸いです。

LCRフォノイコライザ採用プリについて:イコライザ部測定データ - 5



イコライザ・ブロックの測定結果です。 ご覧のとうりRIAAカーブに対する偏差は偏差測定不可能といった高い精度に仕上がっています。

歪率特性は1KHz/3mV入力で0.0055%, 1KHzのおけるアンプ・ゲインは35.5dB,残留ノイズは20μVAと大変優れた結果です。最大入力電圧は0.1%の歪率にて、1KHzにて160mV,10KHzにて300mVと余裕を持っています。

測定結果がアンプの良し悪しの全てを表すものでは無いと思いますが、測定結果をしっかり押さえておくことが家で言えば土台をしっかりしておくようなもので、特性の確認が良いアンプを完成させるための基礎と考えられます。

しかしながら、測定結果が同等でも同等の音質が必ずしも得られないところがオーディオの不思議で面白いところです。しかもアンプの特性に比べると歪率、周波数特性等がデータ上極めて悪いスピーカで再生してアンプの違いが分かるのなると、なぜなのか考え込んでしまいます。

硬い音、しなやかな音、腰のある音等の表現はオーディオ仲間の間ではある程度の共通認識を持たれている表現かと思いますが、測定データ上ではうまくあらわれてはこないようです。まして音楽的な音がするといったような、いわゆるあいまいな表現は聴く人の間で認識の差も大きいと思われるので、なおさら分からなくなります。

ウイスキーの味がアルコール度で定義できるものではありませんが、アルコール度の確保は必要条件といえるでしょう。 一流のウイスキー・ブレンダーの間では味、香り等についての認識や表現方法が良し悪しの基準も含め共有されているとのことです。

残念ながらオーディオの世界では一流ブレンダーの世界の様にはいかず、良い音かどうかは最後は好みの問題といったところに落ち着くのが現状かとは思いますが、個人的には好みの問題とは別にウイスキー同様訓練を積めばオーディオ・システム(部屋他の全てを含む)の良しあしが分かるようにならないものかと思っています。

2011年6月10日金曜日

LCRフォノイコライザ採用プリについて:イコライザブロック内部 - 4





イコライザ・ブロックの内部です。

一番上の写真がイコライザ・ブロックの全体です。このブロックは堅牢なダイキャストのケース内に組み込まれています。内部の仕切りの左側がイコライザ回路、右側は電源となっています。

左側に入力端子、アース端子を配置し、右奥上部が出力端子となります。入力端子、アース端子はそのままバックパネルから顔を出し入力端子となります。奥にモジュールから突きでる感じで上田氏手製のLが配置されています。

真ん中がイコライザ部です。黒い小さな二つある四角はナショナルセミコンダクターのオペアンプIC, LME49860です。 その隣の黒い部品はリレーで、電源スイッチを入れてからイコライザ回路が安定するまでのノイズを回避するためのミューティング回路を構成しています。ミューティング時間は約6秒に設定してあります。

LCR型イコライザはNF型、CR型に比べて複雑な回路になるところですが、シンプルな構成、整然とした部品の配置、巧みなワイヤリングはご覧のとおりです。回路の設計が優秀でも実装技術・センスが伴わないとS/N等の良好な特性を得ることはできません。この部分もまさにノウ・ハウの塊ということができます。

下の写真は電源部です。フラットアンプに使用している真空管6DJ8のヒーター用の12V直流点火用電源を利用しており相互ノイズ等の干渉をさけるため、3端子レギュレータで一度6Vに落としてから、DC/DCコンバーター モジュールでオペアンプ用電源 ±15Vを得ています。 
これによりイコライザ・ブロックへの外部からのDC電源の影響を避けるとともに、イコライザ・ブロック内で電源を持つため、イコライザ・ブロックとしての単独動作が可能となるため、調整、特性の確認等をブロック単体で行うことができるようになります。

このプリと同じ回路のプリ(使用部品等異なる処があります)が上田氏によりMJ無線と実験 2011年6月号 (5月10日発売)に発表されておりますので、ご参考いただければ幸いです。

2011年6月6日月曜日

LCRフォノイコライザ採用プリについて:イコライザについて - 3





LP レコードの溝を刻む時、入力音源に比べては低域では小さな信号に、高域では大きな信号に変換してから溝を刻んであります- 上から二枚の図。
この理由は;
1.そのまま記録すると低域の溝幅が大きくなりレコード盤に記録できる時間が短くなってしまう。
2.高域では溝幅が小さくなりSN比が取れなくなる等の問題が発生する。
3.再生能力の高いマグネチック型のピックアップ(MM,MC型等) では再生周波数が高くなるほど針の動きによって得られる磁石とコイルの相対速度が速くなるため出力電力が高くなる。この特性を生かし低域から高域迄の再生時の針の振動振幅の差を少なくし、トレーシング能力を高める。
等によります。

このためLPレコードをマグネチック型カートリッジで再生する際はレコードの溝を刻む際とは逆に低域の信号成分を大きく、高域の信号成分を小さく再生するためのフォノ・イコライザ回路が必要になります- 上から三枚目の図。

この録音、再生カーブはLPレコードの初期には色々なタイプが存在していましたが、 RIAAカーブと呼ばれるRecording Industry Association of Americaにより提案された規格が標準となっています。
アナログ回路によるフォノ・イコライザ回路にはNF型、CR型、LCR型,その他(各方式の組み合わせ等)が有りますが、今回紹介させていただくアンプではLCR型回路を採用しています。

LCR型イコライザは一番下の図のとおり、前段増幅器と後段増幅器、二つの増幅器の間のL,C,Rで構成されたRIAAイコライザ素子で構成されます。 

L,C,Rを使ったイコライザ素子では周波数に関係なく、前段増幅器に対して定インピーダンス負荷とすることができるため前段増幅器にとっては大変良い条件となります。また後段のアンプに対しても低い値の定インピーダンス入力はノイズ面からも有利になります。

ちなみにNF型では高域負荷が重くなり、CR型では前段増幅器の出力インピーダンスや後段増幅器の入力抵抗がイコライザ特性に影響します。

こう書いてきますと、それなら何故LCR型イコライザが広く使われないのかと疑問が出てきますが、部品コスト(商品化には大きな問題です)を別としても;

A.低いノイズレベルの前段増幅器と後段増幅器が必要

B.定インピーダンスRIAA素子は、インピーダンスを高くしょうとすると、Lの値が大きくなり形状が大きくなったり、自己共振周波数が低くなったりして実用にならず、又、小さくするとインピーダンスが小さくなるため、Cの値が大きくなり、前段アンプの負荷が低くなり駆動が困難になる。 

C.インダクタンス素子を使用するため電磁シールドが必要

D.L素子の入手が困難

等があるからです。

今回のアンプでは上記の課題に対して、以下の対応をしています。

a.低いノイズレベルの前段増幅器と後段増幅器としてナショナルセミコンダクタのオペアンプIC、LME49860を採用

b.このオペアンプは直接ローインピーダンス600オーム負荷を駆動できます。

c.一番上の写真がアンプに実装されたイコライザ・ブロックです。ご覧いただけるようにアルミケースの中にイコライザー部全ての機能を組み込み、シールドに万全を期しています。

d.LCRイコライザーでは、L部分を流れる信号出力を主に使用するためLが大変重要となります。緑色の円筒がL素子です。このL素子は上田氏の手作りによるものです。プリのケースの高さが88ミリですので、L素子のパッケージの大きさがおわかりいただけるかと思います(L素子が二つ入っています)。L素子の設計、制作は温度特性、電磁シールド、機械的振動の排除その他多くの課題を考慮にいれなければならず、まさにノウ・ハウの塊です。 

余談ながら最近は技術も分業となり、全体設計、ブロック設計、部品の設計、制作、組み立て、配線、機械加工等全てを理解することが難しくなってきましした。この点からもこのプリでのLPの再生を聴きながら、上田氏の力量に関心するところ多です。

このプリと同じ回路のプリ(使用部品等異なる処があります)が上田氏によりMJ無線と実験 2011年6月号 (5月10日発売)に発表されておりますので、ご参考いただければ幸いです。

2011年5月27日金曜日

LCRフォノイコライザ採用プリについて:全体の構成 - 2




アンプの中を見てみましょう。通常の手作りのアンプでは、電子部品が載っている基板、部品を支える金具、部品と部品をつなぐワイヤ等が見えますが、上の写真のとおり、このアンプにおいては;

★ 基板はアンプの背面の処に一枚見えるだけです。
★ 露出している部品と思われるものは
  - 緑色の円筒(LCR フォノ・イコライザのL)
  - 黒い円筒(放熱フィン付真空管シールドケース)
  - グレーの円筒(ライン出力トランス)
  - 入力切り替え用ロータリー・スイッチ
  - ボリューム
  - バランス
位で、実にすっきりした構成になっています。

下の写真に示した通り、このプリは、イコライザ、ラインアンプ、出力トランス部を個々に独立したブロックで構成し、ブロック間をワイヤで接続しています。

これにより:
1. 制作時点ではブロック毎にベストの状態に調整が可能
2. イコライザ部分のシールドの確保(S/Nの最適化)
3. ラインアンプ部の放熱の最適化
4. 故障時のブロック毎の点検・修理
5. ブロック毎のグレード・アップ化が可能となる
等のメリットを得ています。

電源はアンプ本体とは別に独立したケースに収められています。
内部構造に関しても上田氏のノウ・ハウがぎっしりつまったプリで有ることが分かります。

次回からは各ブロックについてみてみます。


このプリと同じ回路のプリ(使用部品等異なる処があります)が上田氏によりMJ無線と実験 2011年6月号 (5月10日発売)に発表されておりますので、ご参考いただければ幸いです。

2011年5月26日木曜日

LCRフォノイコライザ採用プリについて - 1





当店のオーディオ設備の:
- 全てのアンプ
- 入、出力セレクタ
- 配線材
はホームページにも記載させていただきました通り、友人の上田順筰氏の設計、制作、選定になるものです。

フォノ・イコライザーを含むプリ・アンプは約20年前に上田氏に設計・制作していただいた(約10年前にイコライザ部のみオーバーホール)CR型イコライザ採用のプリを開店以来使用してきました。 店で使用するということで稼働時間等が家庭での使用と大きく異なりますが、問題は今まで一回も発生せず、高い信頼性、耐久性が証明されています。

とは言っても、業務用として使用するとなると、予備機が必要となり、もう一台のプリの設計制作をお願いしておりましたが、昨年末に新プリが完成、導入され、御客様の評判も高く、約半年の使用実績を重ね、私個人としても大変気に入りましたので、しばらくの間、新しいプリについての紹介をさせていただきます。

一番上が今回紹介させていただくLCRフォノ・イコライザ採用プリの正面の写真で左から、入力セレクタ、ボリューム、バランス、リモート電源スイッチとなっています。

高性能、高音質、当店での使用用途に必要にして十分な機能を持ち、業務用としての高信頼性、耐久性を念頭に設計制作されております。

例えば、採用されているつまみを例にとっても二番目と三番目の写真に示したとおり、しかっりした構造の金属性部品で回転軸に着実に固定、つまみを金属性部品にネジ止めするタイプの高信頼つまみを採用しています。

このプリと同じ回路のプリ(使用部品等異なる処があります)が上田氏によりMJ無線と実験 2011年6月号 (5月10日発売)に発表されておりますので、ご参考いただければ幸いです。

2011年4月8日金曜日

フィリップスのクラシックの名盤 8 ヴィバルディ 合奏協奏曲 『四季』イ・ムジチ合奏団 フェリックス・アーヨ(ヴァイオリン)




このレコードはフィリップスの、あるいはクラシックのレコードの中でも、最も知られていて、もっとも人気のあるレコードの一枚ではないかと思います。 何度も何度も聴いていますが、曲、演奏、録音の全てが素晴らしく、聞きあきるということはありません。部屋を含むオーディオ装置のグレードが上がれば、上がるほど良さが分かってくるレコードです。

カザルスがバッハのチェロ・ソナタを再認識させてくれたのと同様、イ・ムジチによりヴィバルディ、そして四季が再認識されたといっても過言ではないのでしょうか?

1951年にサンタ・チェチーリア音楽院とレミー・プリンチペのもとで学んだ12人 の若き音楽家が集まりイ・ムジチの活動を始め、今年はイ・ムジチにとって60周年にあたるということであり、通常はイタリア語と英語のイ・ムジチの以下のホームページに60周年の日本語でのメッセージも表示されているので、ご覧いただければと思います。


http://www.imusicidiroma.com/homeng.html

イ・ムジチはこの曲を6回録音しており、全世界で2,500万枚を売り上げたということですから、如何に人気の高い演奏で有るかが分かります。今回ご紹介のレコードは1959年の二回目の録音(始めてのステレオ録音)です。

ソロのフェリックス・アーヨが1951年の最初のイ・ムジチのリハーサルに参加した時は18歳だったとのことですので、このレコードは二十代半ばのメンバーにより録音されたということになります。

写真のレコードは多分1960年代前半に日本ビクターによってプレスされたもので、見開きの立派なハード・ジャケットに収めら、写真の様に楽譜が添付されています。春、夏、秋、冬の部分の楽譜の始めにはソネットが記載され、訳文がジャケットの中で紹介されており、レコードが文化であった時代をしのばせます。

音楽の楽しみ方は色々あるかと思いますが、このような名演奏を時間、空間を飛び越えて楽しめるのがレコードを聴く喜びと深く感じるところです。

2011年2月25日金曜日

フィリップスのクラシックの名盤 7 モーツァルト K.617:アダージョとロンド(グラスハーモニカ、フルート、オーボエ、ヴィオラ、チェロ)





このレコードではモーツァルトが亡くなった年に作曲されたK.617:アダージョとロンド(グラスハーモニカ、フルート、オーボエ、ヴィオラ、チェロ)を以下の名手達演奏で聴くことができます。

★ ハインツ・ホリガー (オーボエ)
★ ブルーノ・ホフマン (グラスハーモニカ)
★ オーレル・ニコレ  (フルート)
★ カール・シウンテン  (ビオラ)
★ ジャン・グレース  (チェロ)

 モーツァルト最晩年の親しみやすく、美しく、透明で心に染み込む優雅な名曲がフィリップスレコードの全盛期にこのような名手達の演奏で録音されたのは奇跡といってよいほどで、このレコードを聴くことはまさにレコードで音楽を聴く楽しみといえるかと思います。

 1977年10月10日から13日、アムステルダムでの録音です。

 ところで、グラスハーモニカといっても色々ある様ですので、このレコードで使用されたと思われるグラスハーモニカとブルーノ・ホフマンの写真が使用されているLPレコードのジャケットの写真を下段に表示しましたので、演奏者と楽器の感じがおわかりいただければ幸いです。

ブルーノ・ホフマンが来日の際の演奏を聴いた方が当店の御客様の中にいらっしゃり、使用した楽器は掲載の写真の様な楽器で、音は小ホールでもそこそこ聴けるレベルで、大変美しい響きであったとのお話でした。

昭和54年(1979年)発行の レコード芸術 別冊 名演奏家レコードコレクション2001の”こぼればなし・あれ・これ”の中で;

ブルーノ・ホフマン ●ただひとりの名演奏家 という題で彼が紹介されていますので、一部を紹介させていただきますと;

 ところで昨今、これらの(グラス・ハーモニカを使用した)曲がオリジナルどおりグラス・ハーモニカで演奏されるときには、かならずブルーノ・ホフマンというその楽器のエキスパートが登場する。 どのレコードも全部、この1913年にシュトットガルトで生まれたドイツ人の演奏である。 映画「しのび逢い」にも彼のその楽器の演奏が使われていた。
 世界広しといえども、今日この楽器をちゃんとした音楽的知識と洗練された技巧をもって演奏できるのはこの人のほかにはいないだろう。 彼は長年の研究の末に、水を用いず、ガラスの厚さの異なるコップを共鳴箱に中にならべて、濡れた指をふれる奏法を編み出したのだという。
 一つの楽器の世界中でただ一人の名手というのは、グラス・ハーモニカの場合のブルーノ・ホフマンが唯一の例であろう。

2011年1月7日金曜日

フィリップスのクラシックの名盤 6 モーツアルト ヴァイオリン協奏曲全集 アルテュール・グリュミオー(バイオリン) デイヴィス指揮 ロンドン交響楽団




アルテュール・グリュミオーは私の最も好きなヴァイオリン奏者の一人です。輝かしく艶があり、切れが良く、品のある演奏を聴くとうっとりするとともに、心がなごみます。超一流の演奏家の場合は、合奏、協奏曲となると、常に共演者との釣り合いが問題になります、というのも共演者も伴奏者ということではなく、グリュミオーの演奏とテクニックの面だけでなく、音楽的にも個性豊かに共演してもらいたくなるからです。
ここで紹介させていただくレコードのコリン・デイヴィス指揮 ロンドン交響楽団の端正で明快なオーケストラとの共演はまさに黄金の組み合わせといった感じでモーツアルトを心から楽しむことができます。

レコード付属の解説書によりますと録音は;
★ 1961.11 (K216,219)
★ 1962.4 (K207,K218)
★ 1964.3 (K364,K211) いずれも録音はLondonとなっています。

当店には全集が二組あり、上の写真はオランダ・フィリップスの盤ですが、面白いことに;

● 一枚目(KV207,KV218)と二枚目(KV216,KV219)には 1962年プレス MADE IN HOLLAND
● 三枚目(KV364,KV211) には 1965年 プレス MADE IN HOLLAND
との表示がラベルに記載されています。

下の写真は日本フォノグラムでプレスされたものでJISのマークが刻印されています。

この二セットの音質はやや異なりオランダプレスによるLPはヴァイオリンの音が日本プレスのものよりやや太く、大きく響く感じとなります。ということは日本プレスではヴァイオリンがやや繊細に聴こえます。 オーケストラの響きはオランダプレスの方が良いと感じますが、いずれも聴いているうちに音楽に吸い込まれ、音質は気にならなくなるほどの名盤です。

2010年12月9日木曜日

フィリップスのクラシックの名盤 5 ハイドン ピアノ三重奏曲全集 ボザールトリオ




この特集の私が思うフィリップスのクラシックレコードの最盛期(1970年代)を通じて録音されたのが今回紹介させていただく ボザール・トリオのハイドンのピアノ三重奏です。 手ものにある資料では最初に39番、40番、43番(レコードの解説に通し番号はランドン=ドブリンガー版に従っているとあります)が録音されたのが1969年、全曲を録音を完成させたのが(最後の録音は1,2,3,4,5,7番)が1978年となっておりますから、約10年かけて完成させたというこになります。

この間:
★ ピアノ   :メナヘム・プレスラー
★ バイオリン :イシドーア・コーエン
★ チェロ   :バーナード・グリーンハウス
のメンバーに変動はありませんでしたので10年に渡って録音されたのにもかかわらず、どの曲を聞いても素晴らしい演奏で違和感を感じることはありません。

私はFM放送でこの演奏団体のこの曲集を聞くまで、ハイドンのピアノ三重奏を聞いたことがありませんでしたが、すっかり気に入ってしまい、どうしても全曲をと聴きたいと、やっと探し当てたのが、下の写真の金色は箱にはいったフィリップスブランドで発売された日本でプレスされたLPのセットです。

レコードは傷をつけてしまったりすることもありますので、気に入ったレコードは複数枚購入するようにしていますが、セットもので複数購入するということは、さすがにめったにありません。このレコードセットは大変気に入ったので日本でプレスされたものを2セット購入しました。

さらに、上の写真のオランダ・プレスの全集を見つけましたので、日本のプレスとは音の感じが異なると思い三セット目として購入しまた。

オランダ盤の全集は三セットに分かれており、作曲年代別に;
● 第一集 1755~1760
● 第二集 1760~1793
● 第三集 1793~1796
となっております。
ということはハイドンは23歳~64歳までの長い期間ピアノ(当初はチェンバロ)三重奏曲を書いていたことになりますので、この編成を気に入っていたものと想像されます。

コンサートでは聴くことがまず不可能と思われるハイドンのピアノ三重奏の全曲(失われた曲も数多いとのことですが)をボザール・トリオの名演奏で聴くことが出来るのはレコードならではの楽しみと思います。

2010年11月29日月曜日

フィリップスのクラシックの名盤 4 ロッシーニ 弦楽ソナタ アッカルド他



★ サルバドーレ・アッカルド : バイオリン
★ シルビー・ガゾー     :バイオリン
★ アラン・ムニエ      :チェロ
★ フランコ・ペトラッキ   :コントラバス
の四名により1978年10月に録音された ロッシーニ 弦楽ソナタです。

写真では良く分かりませんが二枚入りのLPセットの箱(当時のフィリップスの素晴らしい出来の箱に入っています)の下の方に ORIGINAL VERSION との記載がされています。

現在ではこの曲はかなり人気があり色々な演奏でのCDが発売されていますが、発売当時は珍しい曲の部類でした。 私はこの曲が好きで、今回紹介させていただく盤を購入する以前は:

●ルイ・オーリアコンブ指揮 トウルーズ室内管弦楽団
●クラウディオ・シモーネ指揮 イ・ソリスティ・べネティ

等の弦楽合奏でのレコードを良く聴いていました。

この演奏のLPを始めて聞いた時はその音色、演奏のテンポ、アクセントの付け方等が今まで聴いていた演奏と大変ことなり、その素晴らしい演奏に加え、録音(あるいは盤の音作り)の良さにびっくりしました。

この曲はロッシーニが僅か12才の時(1804年)にラヴェンナで作曲したものであるという事ですから、驚きです-世の中には天才がいると感じ入ります。

オランダ盤のLPに付属されている シカゴ大学のPHILIP GOSETT氏 の解説書には;

このロッシーニの最も良く知られた器楽曲、四重奏のための六曲のソナタはこのレコードで聴けるような、もともとの楽器編成である、バイオリン2, チェロ、コントラバス、で演奏されることはめったになく弦楽四重奏、弦楽合奏、管楽四重奏等用の編曲が多数存在する。ワシントンの国会図書館には四つの手書きのパート譜が存在しており、そのタイトルページにはロッシーニが1804年にラベンナで12才の時に作曲たと明記されている。その後、この楽譜はロッシーニの手に戻り、後に以下の素晴らしい書き込みが自著させれている。

"私の友人ありパトロンであった Agostio Triossi の田舎の別荘で私が通奏低音のレッスンさえ受ける前の極めて若いころに作曲した ”horrendous - 形]((略式))恐ろしい, ものすごい;〈価格などが〉法外な" な第一ヴァイオリン、第二ヴァイオリン、チェロ、コントラバスの用のパート譜。 このパート譜は全て三日間で作曲、写譜されTrossiのコントラバス、Morini (Trossiの従兄)の第一ヴァイオリン、MoriniのBrotherのチェロ、私の第二バイオリンでひどい演奏をした。本当を言えば私の演奏が一番ましだった。”

というわけで、作曲された時の編成で演奏しているのとことで ”ORIGINAL VERSION ”とのコメントをあえて記載したものと思われます。

曲、演奏、録音、プレス、ジャケットデザイン等全てにおいて素晴らしいレコードです。また、タンノイでの再生もピッタリといった感じです。

2010年11月19日金曜日

フィリップスのクラシックの名盤 3 イタリア弦楽四重奏団(Quartetto Italiano)のモーツァルトの弦楽四重奏曲全集



イタリア弦楽四重奏団の明るく、良く歌い、力強く、音楽を楽しく聴かせる演奏を大変気に入っています。 モーツアルトの弦楽四重奏は如何にも彼らの演奏といった素晴らしいもので、全曲を聞いてみないわけにはいかないと思わせる魅力を持っています。

イタリア弦楽四重奏団は第二次世界大戦が終了した1945年(昭和20年)に二十台前半の若手の演奏者によって設立された演奏団体で上の写真の様に、男性三名、女性一名という編成でいずれ劣らぬ美男、美女の四人組です。

室内楽の団体というと、くるくるメンバーが変わるのが一般的で、レコード愛好家は、同じ団体でも、ある時期のメンバーでの演奏を集めるという例が多い様ですが、イタリア弦楽四重奏団は1947年から1977年まで、メンバーの変動がなく、ハイドン、ベートーベンの録音等も安心して楽しめます。

この時期のオランダプレスのフィリップスのLP盤は高域が特に鮮明で伸びている音作りをしており、小型のシステムで聴くと高い音がうるさく聞こえることがありますが、オーディオ装置の質の向上とともに、音の素晴らしさが分かってくるといった音作りをしているように私には思われます。

2010年11月15日月曜日

フィリップスのクラシックの名盤 2






カタログの続きです。コリン・デイヴィス、アルテュール・グリュミオー、ハインツ・ホリガー、イ・ムジチ 等の演奏家、演奏団体が掲載されています。

ちなみに1972年時点でのこれらの演奏家の年齢を調べてみると、以下になります(かっこ内は誕生年)

★ボザール・トリオの ピアノのメナヘム・プレスラー :49歳(1923)
★アルフレッド・ブレンデル :41歳(1931)
★サルヴァトーレ・アッカルド :31歳(1941)
★コリン・デイヴィス :45歳 (1927)
★アルテュール・グリュミオー :51歳(1921)
★ハインツ・ホリガー :33歳 (1939)
★イタリア弦楽四重奏団のバイオリンのパオロ・ボルチャーニ :50歳( 1922 ) 

ご覧のように、以上の様な名手たちが、若手~働き盛りといった年齢で1970年から1980年にかけてPhillipsに数々の名盤を残してくれ、私たちは名曲、名演奏を今でも楽しむことができます。 時期的にはCDが出る直前、LPとしては(アナログ録音としても)最後の時期に当たります。

これらの演奏は現在、その多くがCDで聴くことができますが、古くからのレコード・ファンとしては当時のLPで聴くのも楽しみの一つです。

2010年11月12日金曜日

フィリップスのクラシックの名盤 1






良い製品、良い作品は芸術品、工業製品等に限らず、ある時期に集中的に作られる例が多い様です。LPレコードで言えば当ブログで紹介させていただいた1950年代末から1960年代初めのRCAの Living Stereo のシリーズとか、同時期の 英国DECCA の一連のレコード、Blue Note,
Prestige,Riverdside等のJazz レーベルの最盛期等が頭に浮かびます。

良いレコードの制作には、販売会社の方針、企画する人のセンス、演奏家、録音担当者、レコード化する際の音作り、ジャケットのデザイン、販売の見込み等様々な要素が高いレベルで合うという、めったにない条件が必要の様です。

私の愛聴盤である1972年プレスの刻印のあるオランダでプレスされたイタリア弦楽四重奏団(Quartetto Italiano)のモーツァルトの弦楽四重奏曲全集の箱にはLPサイズの当時のフィリップスのクラシック・レコードの立派なカタログが同封されており、写真の様に;

ボザール・トリオ
アルフレッド・ブレンデル
サルヴァトーレ・アッカルド

等がまさに現役バリバリでフィリップスに録音していたのが分かります。
これから数回にわたり、当店所有のこのころのフィリップスのレコードで気に入ったものを紹介させていただく予定です。

2010年10月21日木曜日

Belafonte Sings The Blues - LIVING STEREO




LIVING STEREO 60CD COLLECTION の一枚目、リビング・ステレオ・サンプラー収録曲は以下です。

1.インディアナ              エディ・アーノルド
2.ティーンスヴィル            チェット・アトキンス
3.ウェイクアップ・ジェイコブ       ハリー・ベラフォンテ
4.ホエア・ドゥ・ワン・スタンズ・アローン ドン・ギブソン
5.ザ・ビート               ヘンリー・マンシーニ
6.マリア・ボニータ            ペレス・プラード楽団
7.ダーク・ムーン             ジム・リーヴス
8.クール・ウォーター           サンズ・オブ・ザ・パイオニアズ
9.トワイライト・タイム          ザ・スリー・サンズ
10.ジャンプ・ダウン・スピン・アラウンド  ハリー・ベラフォンテ
11.パリの4月に              ジョセフィン・ベイカー
12.時には母のない子供のように      マリアン・アーダースン
13.フニクリ・フニクラ          マリオ・ランツァ
14.コル・ニドライ            ジャン・ピアース
15.「キージェ中尉」-トロイカ(プロコフィエフ) フリッツ・ライナー指揮シカゴ響
16.交響詩「海」-波の戯れ(ドビュッシー)    フリッツ・ライナー指揮シカゴ響
17.歌劇「売られた花嫁」序曲(スメタナ)     フリッツ・ライナー指揮シカゴ響

LIVING STEREO のもとにJAZZ, ポピュラーの名盤も多数発売されました。今回ご紹介するのはJAZZ, ポピュラー系のLIVING STEREOの中で最も気に入っている盤の中の一枚から;

Belafonte Sings The Blues です。

私事ですが、日本ビクターから発売させれたこのレコードを始めて購入したのは私が高校生のときで、初めてJAZZを聞いたのもこのレコードです。その当時はベラフォンテのヒット曲 バナナ・ボート、さらばジャマイカ、陽のあたる島 等の曲を聞いていて、ベラフォンテのレコードというだけの理由で購入したこのレコードからイメージとは全く異質の音楽が流れてきたので大変びっくりしました。

演奏曲目、共演者、録音日時は以下のとおりでステレオLPの販売が開始された1958年の録音です。 ご覧いただける通りベラフォンテがJazzの一流プレーヤーと共演しています。

◆The Way that I Feel
◆Fare Thee Well
Bob Corman (leader & conductor), Roy Eldridge, Ben Webster (ts), Hank Jones (p), Fred Hellerman (g), Norman Keenan (b), Osie Johnson (d), Danny Barrajanos (perc).
Recorded in New York City, on march 29, 1958.

◆A Fool for You
◆Hallelujah I Love Her So
◆Mary Ann
Dennis Farnon (leader, arranger & conductor), Don Fagerquist (tp), Milt Bernhart (tb), Bump Myers (ts), Jimmy Rowles (p), Laurindo Almeida, HOward Roberts (g), Red Callender (b), Jack Sperling (d).
Recorded in Hollywood, California, on June 7, 1958.

◆Losing Hand
◆One for My Baby
◆Cotton Fields
◆God Bless the Child
◆Sinner’s Prayer

Dennis Farnon (leader, arranger & conductor), Don Fagerquist (tp), Milt Bernhart (tb), Plas Johnson (ts), Jimmy Rowles (p), Howard Roberts (g), Red Callender (b), Jack Sperling (d).
Recorded in Hollywood, California, on June 5, 1958.

二番目の写真は当時のLPの中袋ですが、ペリー・コモ、ヘンリー・マンシーニ、ペレス・プラード等のLPがLIVING STEREO で販売されていたのが分かります。

今回発売された LIVING STEREO 60 CD COLLECTION は クラシックのみですが、JAZZ, ポピュラ―編も発売されると良いのですが。

2010年10月14日木曜日

ルビンシュタイン・バレンボイム・ロンドンフィル・べートーベン ピアノ協奏曲全集







RCAのLIVING STEREO 60 CD COLLECTION で思い出しましたが、RCAの数あるクラシックレコードの中でも私が最も気に入っているレコードの一つが今回紹介させていただく;

★「ベートーベン/ピアノ協奏曲全集 」
● アルトゥール・ルービンシュタイン(ピアノ)
● ダニエル・バレンボイム指揮
● ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団


です。

★1番上の写真は米国で販売されたBox Set のものです。ルービンシュタインが良い顔をしていますね!

★2番目の写真はBoxの裏側ですが、ご覧いただける上部の写真の下のコメントは;
- べトーベンの五つの協奏曲の録音中にパッセージについて打ち合わせ中のアルトゥール・ルービンシュタインとダニエル・バレンボイム。1975年の3月初旬にルービンシュタインとバレンボイムはロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで4番と5番の演奏会を開催しました、そしてその数日後(10日と11日)にRCAの為に録音しました。これははたんに幸せな録音だったのみならず、芸術的にも得るところが大きかったので、ルービンシュタインはさらに進めて他の三曲も録音したいとの気持ちをいだきました。残る三曲の録音を見越して演奏会ではめったに演奏することのない一番と二番を再度さらいました。 これらの録音は4月9,10,11日に行われ,
録音の歴史の中でもユニークなルービンシュタインとしての三度目のベートーベンのピアノ協奏曲全曲の録音を完成させました。

とあります。

アルトゥール・ルービンシュタインは1887年1月28日の生まれですから録音の時は88歳を少しを過ぎた年齢でしたが、このレコードからは年齢は全く感じられません。演奏、録音についいては雑誌等で紹介されていますが、悠々とし、溌剌で、素晴らしいものです。

RCA Records としても気合が入っていたようで、中袋も一枚ごとに表の写真が異なり、中袋の裏には曲目の解説が記載されています(写真は5番の中袋です)。

私はハリー・べラフォンテやエルビス・プレスリーのファンでもあるため彼らを育ててくれたRCAには思い入れがあります。

RCA Recordsは1901年設立のビクタートーキングマシンを源流とした会社で、幾多の変遷の後、1975年に日本ビクターとの、RVCが設立されたことに伴い、RCAとしての会社の幕を下ろします。

というわけで、1975年にRCA Recordsとして、このレコードの制作にかかわった人たちにとっても感慨ひとしおの録音ではなかったかと思いますが、最上のアナログ・レコードに仕上がっています。

BOXの裏面下には以下の記載があります。
- Produced by Max Wilcox
- Recording Engineer : K.E.Wilkinson
- Mastering Engineer : Ricard Cardner
1976,RCA Records, New York, N.Y.

なお、一番下の写真は同じ1976年プレスの表示がある日本のRVCから発売されたセットの箱の表紙です。 米国版はやや腹に響くような音質ですが、日本盤はすっきりした感じの音質になっており、異なるとはいうものの両方とも名盤と思います。日本盤にはマスタリング・エンジニアの記載がありませんが、米国版とは独立したマスタリングであったようです。