2010年1月4日月曜日

EL156PP 60Wx2 UL Power Amp (5)



さて、肝心の音はどうでしょうか? 思い入れのある自分のシステムを冷静に自己評価するのは大変困難なことなので、ご来店いただき皆様にお聴きいただくのが一番かと存じます。

とは言え、設計制作者の上田順筰氏宅で数週間の慣らし運転の後、上田氏と二人で当店でオートグラフ・ミレニアムとの組み合わせの音は如何にということで視聴を行いました。 当然ながら二人の頭の中には測定データは入っていますし、当店開店以来使用している845シングルンプとの歪率、出力、DFの違いも先入観として入っています。

聴くソースにもよりますがEL156PPは音楽の温かみ、繊細さの両方を表現し、低域がたっぷりとし、かつ、ふくらみすぎず、クールな面も表現しながらも、躍動感、生命感を表現し、845シングルよりは聴きやすい(845シングルの方がハイファイとしてはより忠実度が高い)といった印象を始めは得ました。

ところで、上は当店のオーディオシステムのメインアンプ付近の写真及び当店のオーディオシステム系統図です-拡大図は以下。

http://www.cafe-blossom.jp/data/update/attach/0145.pdf

写真でご覧いただける通り;

★左右に845シングル(直結)モノアンプ

★手前左はスピーカ二系統、入力四系統、メインアンプ三系統を選択できるリレーシステムのコントローラ(ボリューム及びフラットアンプを装備していますが、アナログ、CD再生時にはバイパスされます-現在は業務用衛星放送再生時に使用)

★手前右がEL156PP

★奥はDクラス ディジタルメインアンプ

★下はクロスバーリレーを使用した入出力切り替え装置

でありシステム系統図で示す通りメインアンプの瞬時切り替え視聴が可能です。

この瞬時切り替え装置を使用し、はじめはこちらは845シングル、こちらはEL156PPと認識しながら聴き比べると音質が違う様に聞こえましたが、ブラインドで瞬時切り替えをして、どちらのアンプか当ててみるというテストをすると、正解率はかなり低くなりました。

又、当店の常連のお客様のご意見も全く正反対のことがあります(例えば、EL156PPの方が繊細さをより良く表現するという方も、845シングルの方が繊細さをより良く表現するという方もいらっしゃいます)。

どうも「三極管シングル、五極管プッシュプルでの比較はそれぞれ多少の個性は存在するものの、比較試聴の結果では今までの先入観とは違い、良くできたアンプであれば、両者の差の判別がし難い良い表現力を持っている」といったところの様です。

ご来店、ご視聴いただければ幸いです。