2010年8月25日水曜日

部屋の音は変化する - 8 さて音は? - 1




さて、建物が完成した直後の部屋で会話をしてみました。会話が明瞭に聞こえません。 どのよう聴こえるかというと、スチール製の折りたたみ式の椅子が置いてある安普請のビルの会議室で会議をしているようです-相手の発言も自分の声も不明瞭であり、心理的にも良い気分がしない-つまり最悪です。

ピアノ、スピーカを設置して、ピアノを鳴らしてみました。防音はほぼ完ぺき、思いっきり弾いても屋外への音漏れはほとんどありません。 しかしながら響きは最悪です。

ピアノの響きが最悪なのですから、音源自体に残響音(残響またはリバーブされた音 - リバーブレーター :残響効果を各種デバイスやデジタルシグナルプロセッサによる演算処理で再現し、音声などへ加味する機能を持ったエフェクター及び音響機器で加工した音源)を含むオーディオの再生で良い音がするはずがありません。

スピーカの為に特に用意したコーナーにオートグラフ・ミレニアムを設置して(上の写真)、こうなったらやけくそ、というわけでもありませんが、私が気に入っていて、聴きなれた音源で比較的残響音を多く含む(加工された?)音源である写真の STREETS I HAVE WORKED - BERAFONTE ( 米国 RCA盤 )を聴いてみましたが、不明瞭で不愉快な音です-評論に値しません。

スピーカ、アンプ等の音響機器は自宅で使っていたものですから、最悪の音となる原因は部屋ということになります。

さー、どうするか というのが今回の連載の主題です。

2010年8月13日金曜日

部屋の音は変化する - 7 天井の仕上げ




天井の仕上げです。上の図のとおり内側から;

★ オトテン3
★ 遮音パネル
★ 石膏ボード
★ 防湿フィルム
★ グラスウール
としました。 グラスウールは216mmとたっぷり厚みを確保しています。
- 防音仕様書の御提案は50mmです。

ここでも寒冷地仕様住宅の特徴が防音の面でも寄与しています。

写真は遮音パネルの下にオトテン3を貼っているところで、写真の部分の天井の高さは床から5.5m です。

2010年8月7日土曜日

部屋の音は変化する - 7 壁面の仕上げ







壁の仕上げは一番上の図のとおり内側から;

★ 布クロス - 仕上げにビニールクロスの様な通気性の無いものを使用すると、下地の吸音材であるオトカベの吸音効果が発揮されませんので通気性のある布で仕上げています。

★ オトカベ

★ 遮音パネル

★ 石膏ボード

★ ファイバーグラス - 152mm

となっています。

一番下の写真は窓枠を取り付ける前の壁の断面です。 木材が見えていますが、これが 2x6の構造材で、この後ろにファイバー・グラスが入っています。

当店はカナダからの2x6の寒冷地仕様の輸入住宅で断熱材としてのファイバーグラスがたっぷり使用されており、防音効果を高めています。

本稿では ”部屋の音”が主題でありますが、音楽を楽しむには防音をしっかり行うことも重要になります。 都市部では防音というと外部に音を漏らさないため、との目的が主体となりますが、防音にはもちろん外部の音が室内に入らないという効果もあります。

但し、部屋があまり静かに仕上がりますと、自分のS/N,すなわち耳鳴りの音、心臓の鼓動の音等、普段気になっていない音が気になり落ち着かないことがありますので、防音をしっかり施した場合には多少の雑音源が部屋の中にあった方が良い場合もありますので、その辺の配慮も必要となります。