2011年2月25日金曜日

フィリップスのクラシックの名盤 7 モーツァルト K.617:アダージョとロンド(グラスハーモニカ、フルート、オーボエ、ヴィオラ、チェロ)





このレコードではモーツァルトが亡くなった年に作曲されたK.617:アダージョとロンド(グラスハーモニカ、フルート、オーボエ、ヴィオラ、チェロ)を以下の名手達演奏で聴くことができます。

★ ハインツ・ホリガー (オーボエ)
★ ブルーノ・ホフマン (グラスハーモニカ)
★ オーレル・ニコレ  (フルート)
★ カール・シウンテン  (ビオラ)
★ ジャン・グレース  (チェロ)

 モーツァルト最晩年の親しみやすく、美しく、透明で心に染み込む優雅な名曲がフィリップスレコードの全盛期にこのような名手達の演奏で録音されたのは奇跡といってよいほどで、このレコードを聴くことはまさにレコードで音楽を聴く楽しみといえるかと思います。

 1977年10月10日から13日、アムステルダムでの録音です。

 ところで、グラスハーモニカといっても色々ある様ですので、このレコードで使用されたと思われるグラスハーモニカとブルーノ・ホフマンの写真が使用されているLPレコードのジャケットの写真を下段に表示しましたので、演奏者と楽器の感じがおわかりいただければ幸いです。

ブルーノ・ホフマンが来日の際の演奏を聴いた方が当店の御客様の中にいらっしゃり、使用した楽器は掲載の写真の様な楽器で、音は小ホールでもそこそこ聴けるレベルで、大変美しい響きであったとのお話でした。

昭和54年(1979年)発行の レコード芸術 別冊 名演奏家レコードコレクション2001の”こぼればなし・あれ・これ”の中で;

ブルーノ・ホフマン ●ただひとりの名演奏家 という題で彼が紹介されていますので、一部を紹介させていただきますと;

 ところで昨今、これらの(グラス・ハーモニカを使用した)曲がオリジナルどおりグラス・ハーモニカで演奏されるときには、かならずブルーノ・ホフマンというその楽器のエキスパートが登場する。 どのレコードも全部、この1913年にシュトットガルトで生まれたドイツ人の演奏である。 映画「しのび逢い」にも彼のその楽器の演奏が使われていた。
 世界広しといえども、今日この楽器をちゃんとした音楽的知識と洗練された技巧をもって演奏できるのはこの人のほかにはいないだろう。 彼は長年の研究の末に、水を用いず、ガラスの厚さの異なるコップを共鳴箱に中にならべて、濡れた指をふれる奏法を編み出したのだという。
 一つの楽器の世界中でただ一人の名手というのは、グラス・ハーモニカの場合のブルーノ・ホフマンが唯一の例であろう。