2010年9月29日水曜日

LIVING STEREO 60CD COLLECTION






お客さまが今評判の LIVING STEREO 60CD COLLECTION をお持ちになり、当店で聴かせていただいたところ大変気に入りましたので私も早速購入しました。

2番めの写真は60枚のCDセットの一枚目、LIVING STEREO SAMPLER のジャケットです。 どこかでご覧になったと思われた方は相当のレコードファンかと存じます。

当店のLPのコレクションからLIVING STEREO の米国RCAオリジナル盤を見てみました。 そうです、LIVING STEREO が発売された初期のRCA盤の内袋のSTEREOの説明に使用されたいたイラストの一部分です(写真の3番めと4番め)。

内袋の記載内容の初めの部分を紹介させていただきますと;

ステレオフォニックサウンドとは?

ついにステレオフォニックサウンドのレコードが実現しました。広く各方面で議論され、多分広く誤解されていた技術です。 理解のお役に立つか分かりませんが;これは複雑で驚くべきものです。当社として、ステレオフォニックサウンドについての手引きとして、以下を紹介させていただきます。 これによりどのようにステレオが構成され、なぜ皆さまの家庭で音楽を聴く喜びをさらに豊かなものにする機会を提供しえるかについての御理解の一助となりましたら幸いです。

ステレオ録音技術が開発される以前は、音楽の波動はたった一つのマイクロホンにより受け取られていました。 この波動はテープに記録され、皆さまがご家庭でお聴きのレコードに刻まれています。 従来のレコードは素晴らしく、感動的な音を再生してくれますが一次元での音源の供給のみとなります(but,of necessity, it also offered only one-dimensional sound ) 。

さて、私たちは皆二つの耳を持ち、二つの耳を使って、音を三次元的に(縦、横、奥行き)聴いているという単純な事実を従来のレコードではカバーできないという問題を持っています。

一般的にあなたの左の耳は部屋の左側で何が起こっているかを追いかける傾向があり、あなたの右の耳は部屋の右側で何が起こっているかを追う傾向にあります。そこであなたの脳は二つの仕事を一度にしていることとなります。
あなたの脳は右の耳で捉えた印象と左の耳で捉えた印象を一つに合成し統合された音楽を聴いているのです。それと同時にあなたは右と左の空間的広がり、あるいは三次元的な印象を持ち続けるているのです。

ここで見ることと聞くことを比較してみましょう。あなたは画像を左右の目でみています。あなたの脳は一度に二つの画像を処理することにより、遠近感を得ていることになります。

ステレオサウンドは両方の耳で音楽を聴いている状況を造り出そうとしているのです。

---------------------------------------------------

色々なご意見はあろうかと思いますが、当時のRCAの意気込みとポリシーが感じられる説明と思います。 LIVING STEREOの様なポリシーで録音された音楽の再生には正面からのスピーカの音のみでなく部屋も重要な要素になると考えられます。

2010年9月20日月曜日

部屋の音は変化する - 9 さて音は? - 3 最終回



前回のスピーカの設置位置のまま、約一年鳴らし続けました。部屋の音もそれなりに落ち着いてき、御客様、オーディオ仲間からの音質へのコメントもそれなりになってきました。
このころからボヤボヤの感じの音も大分すっきりしたものになってくるとともに『低音が足りないんじゃないの、バックロードのカットオッフ周波数のせいだろうけれども物足りない』との声をいただくようになりました。

毎日聴いていると自分では良く分からず、それなりに自信を持っていましたが、月に一度程度ご来店いただく御客様からは、『音がずいぶん変わった』とのコメントを毎回いただくようになりました。

そこで徐々にベストのスピーカの設置場所を探してゆくこととなりました。だんだんとスピーカの位置が壁に近づいてゆく結果となり本年(2010年)の7月になり上の写真に示すとおりコーナーにピッタリ配置するのが最良となりました。

最初に設置してから、設計者が意図した設置場所がベストとなるのに二年かかったことになります。この間、電気系統、部屋の吸音等には一切手を加えておりませんので、部屋の音そのものと、スピーカの音が変化したものと思われます。

スピーカについては設置時点でかなりエージングが進んでいましたので、部屋の音の変化が一番効いているものと思われます。

オーディオの音質向上には色々な方法があろうかと思いますが、部屋の音が音質を決定している大きな要素であり、かつ部屋の音は何をしなくても新築からしばらくの間は変化するとの感想です。

近年はスピード第一との観点から人生でも、仕事でも次から次への対策を立案し、忙しく駆け回るといったパターンが多いかと思いますが、時にはゆっくりと構えるのことも悪くはないかと思っています。

2010年9月2日木曜日

部屋の音は変化する - 9 さて音は? - 2



スピーカ搬入を搬入したのは2008年6月11日、店の開店予定は7月17日です。このひどい音が開店迄に何とかなるか心配でした。部屋の音そのものを短期間で改善する方法は無い様です。過去の経験からすると、新築の部屋の音は楽器、スピーカと同じようにしばらくは使いながらエージングをしていく外なさそうです。 新築の部屋は音だけではなく、塗装の色等もこなれていなく、落ち着いた雰囲気になるにはしばらく時間がかかります。

短気を起こして新しい部屋をいじり出すと何が何だか分からなくなりますので、友人や、お世話になった方々から開店祝いは何が良いかと聞かれていたので、皆さんに観葉植物をお願いし、かなりの数を部屋のあちこちに置くことにしました。

スピーカをコーナーに設置した状態ではあまりにひどい音なので家具、壁を飾る絵、観葉植物、レジ、コーヒー挽き、食器、レコード等の雑貨が入り、何も無い状態より多少は部屋の音が落ち着いたところで、7月の初めに(スピーカの搬入から約三週間後)信頼のおけるオーディオ仲間の応援を得て、当面のベストのスピーカ設置位置を探しました。

写真では良く分かりませんが、スピーカを壁面から1m弱前に出し、左右の壁からも0.5m程離し、正面に向けて(オートグラフは本来コーナーに設置しますので、スピーカは45°内側を無向けて設置するのが設計者の意図の様ですが--- もっともオートグラフが設計させれた時点では音源はモノラルでしたので、そういうわけでもないかもしれませんが)設置したところがベストポジションということになりました。

新筑後一カ月で部屋の中での会話も当初よりはかなり心地よく聞こえるようになりましたし、オーディオの音の方も写真のスピーカの位置で我慢できる程度になってきましたが、オートグラフ独特の軽く、明瞭な低音が聴こえるところまではいきません。