2010年3月5日金曜日
当店のLPコレクションから - 5
ベートーベンというと、重厚な音楽を思い浮かべる方も多いかと思いますが、私はベートーベンは最もダイナミックレンジの広い、つまり、小品から大曲迄、優しい曲から厳しい曲まで、楽しい曲からつらい曲までを幅広く作った作曲家ではないかと思っています。
舞曲、管を含む室内楽などに明るく、楽しい曲が多々ありますが、耳にする機会が比較的少ないのではないでしょうか? 当店には明るく、楽しいベートーベンのコレクションが多少ありますのでお聴きいただければ幸いです。
明るく、楽しいベートーベンの曲として最もよく知られた曲の一つは作品20の七重奏曲ではないかと思います。人気のある曲ですから色々なレコードが選べますが、私が最も気に入っているのは、今回紹介させていただく;
1975年11月19~22日にウイーンで録音された当時のウイーン・フィルハーモニーの名手達による演奏です。 演奏しているのは;
ゲルハルト・ヘッツエル(バイオリン)
ルドルフ・シュトレンク(ビオラ)
アダルベルト・スコチッチ(チェロ)
ブルグハルト・クロイトラー(コントラバス)
アルフレート・プリンツ(クラリネット)
ディートマール・ツエーマン(ファゴット)
ローラント・ベルガー(ホルン)
であり、素晴らしい合奏と共に名手たちの名人芸にうっとりさせられます。
私は気に入ったレコードはプレスの異なるものを数種類購入するのが好きで、このレコードも日本のポリドールのプレスによるもの他数枚購入しましたが、店に置いてあるのは1977年にドイツでプレスされた盤です。 このレコードは曲、演奏、録音、マスタリング(プレス)の全てが素晴らしく、よく聴いています。
蛇足を二つ:
1.この曲の初演は1800年4月2日 ベートーベン29歳のときで、若く、はつらつとしていた頃のベートーベンを彷彿とさせます。資料によると初演の詳しい記録は残っていますが、作曲の経緯は良く分からないそうです。 なお1800年の12月にはオーストリア軍がフランス軍に敗れウイーンに危機が訪れます。
2. ベートーベンはこの曲を気に入っており、また、自信も持っていたようで1803年にピアノ三重曲(作品38) - クラリネットまたはバイオリン、ピアノとチェロ用 - として編曲しています。この編曲版の演奏としてはオランダ・フィリップスのプレスによるボザール・トリオのレコードが当店に置いてありますので、ご興味があればリクエストいただければ幸いです。
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