2009年9月10日木曜日
当店のLPコレクションから - 2
2回目は当店のジャズのLPのコレクションから「モダン・ジャズ・カルテット - MJQ 」の「たそがれのヴェニス」を紹介させていただきます。
名曲、名演奏、名録音と三拍子そろったレコードは意外と数が少ないように思いますが、このレコードはその中の一枚と考えられます。
日本プレスのレコードに付属の解説書には録音は1957年8月23日と書かれていますので、ステレオレコードの販売開始以前ということになります。
話がそれますが、当店のコレクションの中にAudio Fidelity Record社のステレオ・レコードがありジャケット裏面の右下に Audio Fidelity Records produced and released the 'world's first Stereophonic High Fidelity record (Stereodisc) in November,1957. との記載があります。
となるとこのレコードは最初のステレオレコードが発売される三カ月前に録音されたこととなります。
非常に有名なレコードなので、音楽、演奏については、色々なころで紹介されていますので - インターネット上にもこのレコードについて多くのコメントがでています - ここではこのレコードについて私が気がついた点を述べさせていただきます。
このレコードは部屋を含めたオーディオ装置のグレードが上がる度に新たな感動と呼ぶレコードです。
約45年前にそこそこのオーディオ装置を聴きだしてから、ずーとこのレコードを聴いていますが、装置を変えるたびに音楽が変わり新たな感動がえられるので、そのたびに何度も聴き返すということになります。
前回のLP紹介で”ビオラとコントラバスの刻むウインナワルツ独特のリズム”のことを書きましたが、このレコードの再生では非常に繊細な演奏をしているコニー・ケイの打楽器と一見控え目なパーシー・ヒースのベースの音の再生が難しく、再生装置のグレードが上がるほどピアノ、ヴィブラホンとの合奏の良さが際立ってくると感じています。
このレコードのもう一つの特異な点はレコードのプレスによって音楽が大きく変わることです-他のレコードでもそうですが、このレコードは特に顕著です。そんなわけで約10種類のプレスの違う(と思われる)レコードを所有していますが、当店には五種類ほど置いてあります。
写真は当店所有のアトランティックでプレスされた二種類の盤のジャケットとレーベルです。
緑と青の間にATLANTICと記載のある盤のスタンパー番号は1面が11433-C(STA-の表示はありません), 2面がSTA-11434-F,緑と赤の間にATLANTICと記載のある盤のスタンパー番号は1面が STA-11433-C, 2面がSTA-11434-Gですので異なるスタンパーをつかっているのが分かります。
当店の緑と青のラベルの盤では緑と赤の盤よりややおとなしい感じの演奏になります。
蛇足ながらジャケットに使われているターナーの絵は私がニューヨークを訪れた時にはメトロポリタン美術館に展示されていました-かなり大きな絵で色の印象はジャケットの印刷よりかなり淡い茶色でした。
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