2010年12月9日木曜日

フィリップスのクラシックの名盤 5 ハイドン ピアノ三重奏曲全集 ボザールトリオ




この特集の私が思うフィリップスのクラシックレコードの最盛期(1970年代)を通じて録音されたのが今回紹介させていただく ボザール・トリオのハイドンのピアノ三重奏です。 手ものにある資料では最初に39番、40番、43番(レコードの解説に通し番号はランドン=ドブリンガー版に従っているとあります)が録音されたのが1969年、全曲を録音を完成させたのが(最後の録音は1,2,3,4,5,7番)が1978年となっておりますから、約10年かけて完成させたというこになります。

この間:
★ ピアノ   :メナヘム・プレスラー
★ バイオリン :イシドーア・コーエン
★ チェロ   :バーナード・グリーンハウス
のメンバーに変動はありませんでしたので10年に渡って録音されたのにもかかわらず、どの曲を聞いても素晴らしい演奏で違和感を感じることはありません。

私はFM放送でこの演奏団体のこの曲集を聞くまで、ハイドンのピアノ三重奏を聞いたことがありませんでしたが、すっかり気に入ってしまい、どうしても全曲をと聴きたいと、やっと探し当てたのが、下の写真の金色は箱にはいったフィリップスブランドで発売された日本でプレスされたLPのセットです。

レコードは傷をつけてしまったりすることもありますので、気に入ったレコードは複数枚購入するようにしていますが、セットもので複数購入するということは、さすがにめったにありません。このレコードセットは大変気に入ったので日本でプレスされたものを2セット購入しました。

さらに、上の写真のオランダ・プレスの全集を見つけましたので、日本のプレスとは音の感じが異なると思い三セット目として購入しまた。

オランダ盤の全集は三セットに分かれており、作曲年代別に;
● 第一集 1755~1760
● 第二集 1760~1793
● 第三集 1793~1796
となっております。
ということはハイドンは23歳~64歳までの長い期間ピアノ(当初はチェンバロ)三重奏曲を書いていたことになりますので、この編成を気に入っていたものと想像されます。

コンサートでは聴くことがまず不可能と思われるハイドンのピアノ三重奏の全曲(失われた曲も数多いとのことですが)をボザール・トリオの名演奏で聴くことが出来るのはレコードならではの楽しみと思います。

2010年11月29日月曜日

フィリップスのクラシックの名盤 4 ロッシーニ 弦楽ソナタ アッカルド他



★ サルバドーレ・アッカルド : バイオリン
★ シルビー・ガゾー     :バイオリン
★ アラン・ムニエ      :チェロ
★ フランコ・ペトラッキ   :コントラバス
の四名により1978年10月に録音された ロッシーニ 弦楽ソナタです。

写真では良く分かりませんが二枚入りのLPセットの箱(当時のフィリップスの素晴らしい出来の箱に入っています)の下の方に ORIGINAL VERSION との記載がされています。

現在ではこの曲はかなり人気があり色々な演奏でのCDが発売されていますが、発売当時は珍しい曲の部類でした。 私はこの曲が好きで、今回紹介させていただく盤を購入する以前は:

●ルイ・オーリアコンブ指揮 トウルーズ室内管弦楽団
●クラウディオ・シモーネ指揮 イ・ソリスティ・べネティ

等の弦楽合奏でのレコードを良く聴いていました。

この演奏のLPを始めて聞いた時はその音色、演奏のテンポ、アクセントの付け方等が今まで聴いていた演奏と大変ことなり、その素晴らしい演奏に加え、録音(あるいは盤の音作り)の良さにびっくりしました。

この曲はロッシーニが僅か12才の時(1804年)にラヴェンナで作曲したものであるという事ですから、驚きです-世の中には天才がいると感じ入ります。

オランダ盤のLPに付属されている シカゴ大学のPHILIP GOSETT氏 の解説書には;

このロッシーニの最も良く知られた器楽曲、四重奏のための六曲のソナタはこのレコードで聴けるような、もともとの楽器編成である、バイオリン2, チェロ、コントラバス、で演奏されることはめったになく弦楽四重奏、弦楽合奏、管楽四重奏等用の編曲が多数存在する。ワシントンの国会図書館には四つの手書きのパート譜が存在しており、そのタイトルページにはロッシーニが1804年にラベンナで12才の時に作曲たと明記されている。その後、この楽譜はロッシーニの手に戻り、後に以下の素晴らしい書き込みが自著させれている。

"私の友人ありパトロンであった Agostio Triossi の田舎の別荘で私が通奏低音のレッスンさえ受ける前の極めて若いころに作曲した ”horrendous - 形]((略式))恐ろしい, ものすごい;〈価格などが〉法外な" な第一ヴァイオリン、第二ヴァイオリン、チェロ、コントラバスの用のパート譜。 このパート譜は全て三日間で作曲、写譜されTrossiのコントラバス、Morini (Trossiの従兄)の第一ヴァイオリン、MoriniのBrotherのチェロ、私の第二バイオリンでひどい演奏をした。本当を言えば私の演奏が一番ましだった。”

というわけで、作曲された時の編成で演奏しているのとことで ”ORIGINAL VERSION ”とのコメントをあえて記載したものと思われます。

曲、演奏、録音、プレス、ジャケットデザイン等全てにおいて素晴らしいレコードです。また、タンノイでの再生もピッタリといった感じです。

2010年11月19日金曜日

フィリップスのクラシックの名盤 3 イタリア弦楽四重奏団(Quartetto Italiano)のモーツァルトの弦楽四重奏曲全集



イタリア弦楽四重奏団の明るく、良く歌い、力強く、音楽を楽しく聴かせる演奏を大変気に入っています。 モーツアルトの弦楽四重奏は如何にも彼らの演奏といった素晴らしいもので、全曲を聞いてみないわけにはいかないと思わせる魅力を持っています。

イタリア弦楽四重奏団は第二次世界大戦が終了した1945年(昭和20年)に二十台前半の若手の演奏者によって設立された演奏団体で上の写真の様に、男性三名、女性一名という編成でいずれ劣らぬ美男、美女の四人組です。

室内楽の団体というと、くるくるメンバーが変わるのが一般的で、レコード愛好家は、同じ団体でも、ある時期のメンバーでの演奏を集めるという例が多い様ですが、イタリア弦楽四重奏団は1947年から1977年まで、メンバーの変動がなく、ハイドン、ベートーベンの録音等も安心して楽しめます。

この時期のオランダプレスのフィリップスのLP盤は高域が特に鮮明で伸びている音作りをしており、小型のシステムで聴くと高い音がうるさく聞こえることがありますが、オーディオ装置の質の向上とともに、音の素晴らしさが分かってくるといった音作りをしているように私には思われます。

2010年11月15日月曜日

フィリップスのクラシックの名盤 2






カタログの続きです。コリン・デイヴィス、アルテュール・グリュミオー、ハインツ・ホリガー、イ・ムジチ 等の演奏家、演奏団体が掲載されています。

ちなみに1972年時点でのこれらの演奏家の年齢を調べてみると、以下になります(かっこ内は誕生年)

★ボザール・トリオの ピアノのメナヘム・プレスラー :49歳(1923)
★アルフレッド・ブレンデル :41歳(1931)
★サルヴァトーレ・アッカルド :31歳(1941)
★コリン・デイヴィス :45歳 (1927)
★アルテュール・グリュミオー :51歳(1921)
★ハインツ・ホリガー :33歳 (1939)
★イタリア弦楽四重奏団のバイオリンのパオロ・ボルチャーニ :50歳( 1922 ) 

ご覧のように、以上の様な名手たちが、若手~働き盛りといった年齢で1970年から1980年にかけてPhillipsに数々の名盤を残してくれ、私たちは名曲、名演奏を今でも楽しむことができます。 時期的にはCDが出る直前、LPとしては(アナログ録音としても)最後の時期に当たります。

これらの演奏は現在、その多くがCDで聴くことができますが、古くからのレコード・ファンとしては当時のLPで聴くのも楽しみの一つです。

2010年11月12日金曜日

フィリップスのクラシックの名盤 1






良い製品、良い作品は芸術品、工業製品等に限らず、ある時期に集中的に作られる例が多い様です。LPレコードで言えば当ブログで紹介させていただいた1950年代末から1960年代初めのRCAの Living Stereo のシリーズとか、同時期の 英国DECCA の一連のレコード、Blue Note,
Prestige,Riverdside等のJazz レーベルの最盛期等が頭に浮かびます。

良いレコードの制作には、販売会社の方針、企画する人のセンス、演奏家、録音担当者、レコード化する際の音作り、ジャケットのデザイン、販売の見込み等様々な要素が高いレベルで合うという、めったにない条件が必要の様です。

私の愛聴盤である1972年プレスの刻印のあるオランダでプレスされたイタリア弦楽四重奏団(Quartetto Italiano)のモーツァルトの弦楽四重奏曲全集の箱にはLPサイズの当時のフィリップスのクラシック・レコードの立派なカタログが同封されており、写真の様に;

ボザール・トリオ
アルフレッド・ブレンデル
サルヴァトーレ・アッカルド

等がまさに現役バリバリでフィリップスに録音していたのが分かります。
これから数回にわたり、当店所有のこのころのフィリップスのレコードで気に入ったものを紹介させていただく予定です。

2010年10月21日木曜日

Belafonte Sings The Blues - LIVING STEREO




LIVING STEREO 60CD COLLECTION の一枚目、リビング・ステレオ・サンプラー収録曲は以下です。

1.インディアナ              エディ・アーノルド
2.ティーンスヴィル            チェット・アトキンス
3.ウェイクアップ・ジェイコブ       ハリー・ベラフォンテ
4.ホエア・ドゥ・ワン・スタンズ・アローン ドン・ギブソン
5.ザ・ビート               ヘンリー・マンシーニ
6.マリア・ボニータ            ペレス・プラード楽団
7.ダーク・ムーン             ジム・リーヴス
8.クール・ウォーター           サンズ・オブ・ザ・パイオニアズ
9.トワイライト・タイム          ザ・スリー・サンズ
10.ジャンプ・ダウン・スピン・アラウンド  ハリー・ベラフォンテ
11.パリの4月に              ジョセフィン・ベイカー
12.時には母のない子供のように      マリアン・アーダースン
13.フニクリ・フニクラ          マリオ・ランツァ
14.コル・ニドライ            ジャン・ピアース
15.「キージェ中尉」-トロイカ(プロコフィエフ) フリッツ・ライナー指揮シカゴ響
16.交響詩「海」-波の戯れ(ドビュッシー)    フリッツ・ライナー指揮シカゴ響
17.歌劇「売られた花嫁」序曲(スメタナ)     フリッツ・ライナー指揮シカゴ響

LIVING STEREO のもとにJAZZ, ポピュラーの名盤も多数発売されました。今回ご紹介するのはJAZZ, ポピュラー系のLIVING STEREOの中で最も気に入っている盤の中の一枚から;

Belafonte Sings The Blues です。

私事ですが、日本ビクターから発売させれたこのレコードを始めて購入したのは私が高校生のときで、初めてJAZZを聞いたのもこのレコードです。その当時はベラフォンテのヒット曲 バナナ・ボート、さらばジャマイカ、陽のあたる島 等の曲を聞いていて、ベラフォンテのレコードというだけの理由で購入したこのレコードからイメージとは全く異質の音楽が流れてきたので大変びっくりしました。

演奏曲目、共演者、録音日時は以下のとおりでステレオLPの販売が開始された1958年の録音です。 ご覧いただける通りベラフォンテがJazzの一流プレーヤーと共演しています。

◆The Way that I Feel
◆Fare Thee Well
Bob Corman (leader & conductor), Roy Eldridge, Ben Webster (ts), Hank Jones (p), Fred Hellerman (g), Norman Keenan (b), Osie Johnson (d), Danny Barrajanos (perc).
Recorded in New York City, on march 29, 1958.

◆A Fool for You
◆Hallelujah I Love Her So
◆Mary Ann
Dennis Farnon (leader, arranger & conductor), Don Fagerquist (tp), Milt Bernhart (tb), Bump Myers (ts), Jimmy Rowles (p), Laurindo Almeida, HOward Roberts (g), Red Callender (b), Jack Sperling (d).
Recorded in Hollywood, California, on June 7, 1958.

◆Losing Hand
◆One for My Baby
◆Cotton Fields
◆God Bless the Child
◆Sinner’s Prayer

Dennis Farnon (leader, arranger & conductor), Don Fagerquist (tp), Milt Bernhart (tb), Plas Johnson (ts), Jimmy Rowles (p), Howard Roberts (g), Red Callender (b), Jack Sperling (d).
Recorded in Hollywood, California, on June 5, 1958.

二番目の写真は当時のLPの中袋ですが、ペリー・コモ、ヘンリー・マンシーニ、ペレス・プラード等のLPがLIVING STEREO で販売されていたのが分かります。

今回発売された LIVING STEREO 60 CD COLLECTION は クラシックのみですが、JAZZ, ポピュラ―編も発売されると良いのですが。

2010年10月14日木曜日

ルビンシュタイン・バレンボイム・ロンドンフィル・べートーベン ピアノ協奏曲全集







RCAのLIVING STEREO 60 CD COLLECTION で思い出しましたが、RCAの数あるクラシックレコードの中でも私が最も気に入っているレコードの一つが今回紹介させていただく;

★「ベートーベン/ピアノ協奏曲全集 」
● アルトゥール・ルービンシュタイン(ピアノ)
● ダニエル・バレンボイム指揮
● ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団


です。

★1番上の写真は米国で販売されたBox Set のものです。ルービンシュタインが良い顔をしていますね!

★2番目の写真はBoxの裏側ですが、ご覧いただける上部の写真の下のコメントは;
- べトーベンの五つの協奏曲の録音中にパッセージについて打ち合わせ中のアルトゥール・ルービンシュタインとダニエル・バレンボイム。1975年の3月初旬にルービンシュタインとバレンボイムはロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで4番と5番の演奏会を開催しました、そしてその数日後(10日と11日)にRCAの為に録音しました。これははたんに幸せな録音だったのみならず、芸術的にも得るところが大きかったので、ルービンシュタインはさらに進めて他の三曲も録音したいとの気持ちをいだきました。残る三曲の録音を見越して演奏会ではめったに演奏することのない一番と二番を再度さらいました。 これらの録音は4月9,10,11日に行われ,
録音の歴史の中でもユニークなルービンシュタインとしての三度目のベートーベンのピアノ協奏曲全曲の録音を完成させました。

とあります。

アルトゥール・ルービンシュタインは1887年1月28日の生まれですから録音の時は88歳を少しを過ぎた年齢でしたが、このレコードからは年齢は全く感じられません。演奏、録音についいては雑誌等で紹介されていますが、悠々とし、溌剌で、素晴らしいものです。

RCA Records としても気合が入っていたようで、中袋も一枚ごとに表の写真が異なり、中袋の裏には曲目の解説が記載されています(写真は5番の中袋です)。

私はハリー・べラフォンテやエルビス・プレスリーのファンでもあるため彼らを育ててくれたRCAには思い入れがあります。

RCA Recordsは1901年設立のビクタートーキングマシンを源流とした会社で、幾多の変遷の後、1975年に日本ビクターとの、RVCが設立されたことに伴い、RCAとしての会社の幕を下ろします。

というわけで、1975年にRCA Recordsとして、このレコードの制作にかかわった人たちにとっても感慨ひとしおの録音ではなかったかと思いますが、最上のアナログ・レコードに仕上がっています。

BOXの裏面下には以下の記載があります。
- Produced by Max Wilcox
- Recording Engineer : K.E.Wilkinson
- Mastering Engineer : Ricard Cardner
1976,RCA Records, New York, N.Y.

なお、一番下の写真は同じ1976年プレスの表示がある日本のRVCから発売されたセットの箱の表紙です。 米国版はやや腹に響くような音質ですが、日本盤はすっきりした感じの音質になっており、異なるとはいうものの両方とも名盤と思います。日本盤にはマスタリング・エンジニアの記載がありませんが、米国版とは独立したマスタリングであったようです。