2009年7月21日火曜日

オートグラフ・ミレニアムについて - 1


オートグラフ・ミレニアムは2001年(平成13年)に英国タンノイ社により受注限定生産されたスピーカシステムです。

オリジナルのオートグラフはタンノイ社の創始者、ガイ・R・ファウンテン氏が設計し、1953年のニューヨークのオーディオフェアで発表されました。 内部構造が複雑でかつ、六角形のため量産は不可能だったようで、伝承的な技術によって、月産2~3セットの規模で生産されていました。


11/64 Printed in England の記載のがあるので1964年に発行されたと思われるAutographのカタログには;

- このユニークなエンクロージャーにより、よく知られたホーシステムの特性、すなわち優秀な低域の放射と過渡特性を、従来のホーンシステムに見られる特定の歪の影響を伴わずに実現しています。

- システムの能率は非常に高く、大きなリビングルームでの使用でも3ワット(ピーク)以上の出力を必要としません。

-全く新しいホーンロードシステムを採用した結果、大編成オーケストラ、コーラルの再生においては音の広がり、幅を、室内楽、ソロ ボーカルでは音楽を楽しむために必要な親密さ(intimacy)を表現します。

設計者の音楽の好み、意図、自信のほどがうかがえます。


オートグラフ・ミレニアムとオリジナルのオートグラフの主な相違点については、受注生産告知の際、ティアック(株)により以下が説明されています。

( 今回、英国タンノイ社で復活されたオートグラフ・ミレニアムは、オリジナルより分解能を向上させる為、以下の変更を行っています。)

-  スピーカー・ユニットのコーン紙、及び磁気回路(強力アルニコ・マグネット)
- ツイーターホーン(金メッキ・ラッピング仕上げ)
- エンクロージャー素材(パーチ材積層合板)
- フロントホーン(表面ラッピング仕上げ)
- バックロードホーンの吸音材
- スピーカ配線ケーブル
- ネットワーク
- スピーカ端子(バイワイヤリング対応アース端子付き)
- サランネット
-  脚、ベース(3点ピンポイント)

次回から変更点にふれてゆく予定です。

- 本稿についてはティアック(株)のご同意を得て、同社の公表済資料の一部を引用させていただいています。

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